貧乏人が綴る、以前運営していたHPの日記コンテンツを引き継ぐブログ。

  平和を希求する中年男PSILAのつぶやきのナビゲーター   トップページ > 2010年03月  

スポンサーサイト

-- - --/-- [--] - --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

宮下公園に迫る危機・1

2010 - 03/31 [Wed] - 10:52

 26日、渋谷区勤労会館で開かれた「民主主義の貧困~渋谷区はどこにいくのか?」というシンポジウムに参加してきた。このシンポジウムは、OurPlanet-TV(以下「アワプラ」)が中心になって(というより、ほとんどアワプラしか取り上げてくれないのだが)追いかけている「宮下ナイキパーク」問題について取り上げた、3回連続のシンポジウムの最終回としての企画であり、この公園計画に反対している活動家、プロスケーター、新聞記者らがパネラーとして参加し、この計画の問題点や、渋谷区のぞっとする現状が次々と明らかになった。
 この計画のどこが問題なのか?それは、渋谷区が本来なすべき民主主義的な過程をすっ飛ばし、いきなり結果だけ発表するという、まことに強権的な行政手法にある。
 話題になっている宮下公園は、山手線と明治通りに挟まれた、細長い公園である。渋谷駅から徒歩5分圏内という絶好の場所にあるにもかかわらず、最近はホームレスが居住しているため、一般には「危ない場所」として認識されているようである。現有施設はトイレ、フットサルコート、児童向け遊具が設置されているが、利用者はさほど多くない。
 この公園の「ナイキ化」がなぜ問題なのか?それは渋谷区が「ネーミングライツ」と称して、区内の施設に企業の商品名をつける事の先駆け的存在だからである。
 2005年9月30日の渋谷区定例議会において、鈴木けんぽう議員(民主党)が、渋谷公会堂のネーミングライツ販売を提案している。彼は翌年6月8日の定例会でもこの問題について取り上げているが、3ヶ月後にキリンビバレッジが電通経由で渋谷公会堂のネーミングライツを取得し、10月1日から同公会堂は新たに「CCレモンホール」としてオープンしている。さらに渋谷区はネーミングライツの権限を公衆トイレを対象に広げ、一般個人でもネーミングライツを取得できるようにしたが、さすがに公衆トイレに時分の名前を冠する奇特な人はおられないようで、個人の名を冠した公衆トイレは現在も聞いたことがない。
 そして、このネーミングライツ問題と宮下公園は、かなり密接に関わっている。
 2003年6月6日の定例会で、伊藤たけし議員(保守系無所属)が、宮下公園にフットサルコートの設置を提案している。ところがこれに反対するNPO法人「渋谷区を美しくし隊」らが、「宮下公園の再生に関する陳情」を翌年9月22日議会にした。だが最終的には6月17日、フットサルコート2面が、宮下公園に設置・開場された。管理を受託されたのは不動産会社の(株)Fidoで、選定理由は運動施設業務に実績があるというのが理由である。

続きを読む »
スポンサーサイト

ステキなカフェはいかがです?

2010 - 03/26 [Fri] - 10:58

 先日の記事で、ステキなカフェを2軒紹介したが、今回は雰囲気が好対照のカフェを紹介したい。
 まずは、西国分寺駅から歩いて5分ほどの所にある「クルミドカフェ」。客席スペースがさほど広くなく、その中に効率よく座席を設置しているので、階段がやや急になっているのが難点だが、この店を訪れた客は、店内は街中に響く雑音とは無縁の、異次元の世界に圧倒されるだろう。そして木目調の内壁と、店内に鳴り響くチェンバロの音、バロック音楽、そして美しい照明といった、店内に漂うハイセンスな雰囲気に癒されるのだ。1人あたりのスペースも広めにとられているので、ゆっくり読書をしたいとか、原稿を書きたいとかという人には、おすすめの場所である。
 このお店のコンセプトは、それぞれがはみ出しながら緩やかにつながる、コミュニティを持った暮らしの場であるということ。そして、ここをきっかけになにか生まれるような、そしてこの店がなくなった時に、多くの人が惜しんでくれるような店になって欲しいというのが、店主の願いだそうだ。
 提供されるメニューは、コーヒー・紅茶・ケーキのどれもが自家製である。コーヒーは札幌にある小さいな焙煎所から直送されている。それを水だけで8時間かけ、じっくりと抽出する。それがこのコーヒーのウリになっている。店側は「味はしっかりしているのにすっきり飲める」と宣伝している。
 このカフェはソーシャル・イベントにも力を入れおり、1階のスペースでは様々なイベントが施行されている。つい先日も、社会活動家・社会起業家を集めたセミナーが開催された(私は日程が合わず不参加)。日程はHPに随時更新されているので、興味がある人は参加されてはどうだろう。
 次に紹介する「新宿ベルク」は、クルミドカフェとは全く対照的な雰囲気を持つ喫茶店である。
 新宿駅東口改札から徒歩1分、新宿の駅ビル「ルミネ」地下1階という最高のロケーションを誇るこの店が世間に知れ渡ったきっかけは、ビルテナントでも売り上げ上位を占めているにもかかわらず、駅ビル側から理不尽な理由で退去勧告を受けたことが、メディアで大々的に報道されたことだ。そのニュースを知って憤りを感じた常連客が、「ベルク撤退反対」を訴える署名活動を始めたところ、瞬く間に支援活動の輪が全国に広がった。

続きを読む »

原発勉強会に参加した

2010 - 03/19 [Fri] - 16:30

 昨日、都内某所で原発についての私的な勉強会があった。この勉強会のメンバーは、以前からtwitterで社会問題について活発に意見交換をやるだけにとどまらず、実際にNGO・ボランティア活動をしている人たちである。そんな人たちがふとした機会から「オフ会」という名の会合をもち、メディアの現状に不満と危機感を持っているという認識で意見が一致した。そのために何かやろうということになり、集まったメンバーが一番関心を持っていることが原発問題ということで、そのことを取り上げようということになった。
 昨日講師になってくれた人は、実際に電力会社で広報活動をしている人である。その人はなぜ電力会社が原発を推進するのかを、詳しく説明してくれた。
 原発で使うエネルギーであるウラン供給国が、オーストラリア等政情が比較的安定している国に多くあること。原発の割合が増えているのは、石油産出国である中東の政情が安定していないことに起因する。二度の石油ショックに懲りた各国は、より安定したエネルギー供給を模索した結果、原発の比率を高めた。そのおかげで、ウランも争奪戦の様相になっているそうだ。
 出力が安定しているのも、原子力発電所の最大の長所だそうだ。電気は水と違い、貯めておくことができないため、ピーク時にあわせて電気を作る必要がある。火力発電は立ち上がりが早い反面、出力調整が難しい。反対に原発は立ち上がりにやや時間がかかる反面、出力調整はわりと容易だそうだ。日本国内には全部で54基の原発があり、他に10基が計画中だそうだ。
 反原発派は「電力会社は、自然エネルギーにもっと力を注ぐべきだ」といってるが、電力会社は自然エネルギー開発にも力を入れている。だが、会社にいわせると、これら自然エネルギーにも欠点があるという。
 風力発電は山手線の三倍の面積が必要とされ、さらに電磁波公害、騒音問題も抱えている。実際、伊豆地方にある風力発電所は、騒音問題で地元住民とトラブルになっている。海上で風力発電の施設設置を検討しているが、今度はバードストライク問題(鳥がプロペラに体当たりし、プロペラが破壊されること)がおこる。日本は国土が狭いため、風力発電に向いた施設は国立公園ないしかないといわれている。国がそこに風力発電所を設置する許可を出す可能性はないといわれているので、どこまで普及するかどうかは未知数である。太陽光発電はお天気でないと全く役に立たないし、地熱発電は硫酸化硫黄という有毒物質を発生する上、設備・備品がその悪影響で耐久性が弱いため、実用化しても普及する確率は低い。あらゆる事を検討した結果、現状では原発がコスト面で一番安定している発電方法である(7.3円、ちなみに水力10.4円、火力12.2円)、というのが電力会社側の主張である。

続きを読む »

身体にいい食事を!

2010 - 03/18 [Thu] - 13:22

 さて、先日私が体験した「フェアトレード」な一日について書いてみたい。
 その日、最初に訪れたところはオーガニックカフェの草分け的存在である「カフェスロー」である。この店は以前別の所に店舗を構えていたのだが、そこが大家の都合で立ち退かざるを得なくなった。あちこち候補地を探した結果、見つかったのが現在店のあるところで、潰れた工場を店に改造してリニューアルオープンし、現在に至る。
 場所は、国分寺駅から5~6分歩き、坂を下りきったところにある。新宿から電車で30分圏内にもかかわらず、まわりはとても静かである。「ここはペンションか?或いはロッジか?」と思わせる店内は、スタイリッシュかつオーガニックな雰囲気が醸し出ている。私がここに着いたのは13時を過ぎていたのだが、客層から判断して、この店のコンセプトは、地元住民にも受け入れられているのだと確信した。
 この店のメニューには「肉」料理がない!実は肉というのは、皆さんが思っている以上に環境に優しくないのだ。1kgの肉を作るのに、鶏肉の場合は4kg、豚肉の場合は6kg、牛肉には6kgの穀物が必要だ(足立直樹著「2025年 あなたの欲望が地球を滅ぼす」より)。いいお肉を作るには、いい環境が必要だということを、世間はどの程度理解しているのだろう。いい穀物を育てるためには、いい土壌が必要だ。同じ場所で同じ作物を作ると、地力が落ちるというのは、農業を少し囓った人間でなくても知っているはずだ。だから、お肉は環境にも身体にも優しくないのである。
 そんなわけで、私はこの店で「パン定食」を注文した。店の名前に「スロー」という言葉がつくだけあり、なかなか商品が出てこない。普通の店だったら
 「遅い!こんな店二度と来るもんか!」
と怒鳴る客がいてもおかしくない。だがここは「カフェスロー」なのだ。「ゆっくり過ごす」事をコンセプトにしている店なのだ。商店街を席巻している「早くてなんぼ」のファストフードショップや定食チェーンと違うのだ。だからこの店で「遅い!」「早くしろ!」という言葉は禁忌である。常連客の多くも、この店はこういう店なんだということを理解している。
 実際、この店は読書をするのには最高である。照明が心理面に影響を及ぼしているのかも知れないが、活字を追っていても、まわりでおしゃべりしている音がまるで気にならない。椅子やテーブルに、木製であることも関係しているのかも知れない。
 注文して20分くらい経っただろうか。料理を口にして目頭が熱くなるということを、私は初めて経験した。焼きたてのパンを一口囓ると、これまで味わったことのない感覚が、口の中にあっという間に広がった。この味を一言で説明するのは難しいが、あえていえば(半可通の意見で恐縮だが)、その味は「粉が本来持っている特徴をを生かした優しい味」というべきだろう。私もいろんなパンを食べてきたが、こんな味のパンを一度も食べたことがない。それでいて、パンに必要な「もちもち」した感覚もしっかりある。このパンは、カフェスロー敷地内にあるパン屋でも売られているが、あまりにおいしいので母のためにお土産にしたほどである。このパンはそれほど美味しいのだ。是非試してもらいたい。

続きを読む »

DAYS JAPAN存続へ・2

2010 - 03/14 [Sun] - 09:48

 めでたく「存続」が決まった「DAYS JAPAN」。
 今日は、9日のシンポジウムに登壇したゲストの方の発言(要旨)を紹介します。
 (敬称略)
 
 江成常夫(写真家)
 今日展示された写真を、皆さんはどんな気持ちで映像を受け止めたか?
 言葉を閉ざすか、祈るしかないような写真を見せられると、こういう場に立つことに後ろめたさを覚える。今世界では、貧困や紛争の元で、死を強いられ、涙が絶えない人たちが跡を絶たない。写真はそのような弱い人にまなざしを向け、絶望を希望の灯に変える力と役割がある。しかし今の日本には、受け止める受け皿がない。それはジャーナリズムにも問題があると思うが、そうしてしまった日本人一人一人にも責任がある。絶望を希望に変え、DAYS JAPAN「以下(DAYS)」世界をつなぐ雑誌ではないかと思う。
 私は今まで「DAYSフォトジャーナリズム大賞」の審査をしてきた。そこには沢山のフォトジャーナリズムが、命をとして取ってきた人たちの写真が沢山よせられている。死や涙を強いられている人たちは、子供、女性、老人といった弱い人たちである。その後ろで、権力者があとに他得ている。DAYSは、それを受け止めてきた。
 
 樋口健二(フォトジャーナリスト)
 外は寒い中を沢山の方がおいでいただいたことに感謝したい。
 6年続いたのは大変なことだ。僕の世代は報道をやるのが当たり前、朝日新聞からアサヒグラフ、毎日新聞から毎日グラフ等、当時は諸々のグラフ雑誌があった。報道写真はこういう雑誌媒体で活動していたが、いつの頃からか、日本のジャーじゃリズムは報道写真を排除していく動きが出てきた。絶望にうちひしがれた時代、どうしたらいいのだろうかと思っていた矢先、6年前に広河さんが「DAYS」をひっさげてやってきた。彼は写真の他に、編集を兼ねている、これは超人的だと思った。私は学校(※)でフォトジャーナリズムを教えている。教え子達は彼にお世話になっている。
 グラフ雑誌は経済が悪化して、どんどんつぶれた。にもかかわらず、「DAYS」は彼のたぐいまれなメッセージと心が全国に通じて、グラフが一気に上がっているのを見てほっとした。これはみんなが協力したたまものだ。6年の実績に対し、日本写真家協会から協会賞が贈られた。
 本日は6周年だが、さらに皆さんのご協力がないと、売れなければ廃刊になるという宿命がある。沢山の作品を見て、胸がいっぱいになった。この世界の状況を日本が伝えていない。この雑誌の歴史的存在理由を皆さんの力で守って欲しい。次は10周年だ。そのためには、皆さんの力がなかったら無理である。よろしくお願いします。
※樋口氏は、長きにわたり「日本ジャーナリスト専門学校」の講師をしている。
余談ながら、管理人はこの学校のOBである。

続きを読む »

DAYS JAPAN存続へ

2010 - 03/11 [Thu] - 10:42

 9日、文京区シビックホール(小ホール)において、日本唯一のフォト・ジャーナリズム雑誌「DAYS JAPAN(以下「DAYS)」6周年記念イベントが開催された。悪天候にもかかわらず、300名を超える観衆が来場したということは、日本のジャーナリズムの現状に危機感を持つ人が大勢いることの裏返しでもある。当日はインターネットで独自にイベントの模様を中継する独立系放送局「Our-Planet TV(通称「アワプラ)」のほか、テレビ朝日とNHKの取材クルーが、会場でシンポの様子を取材していた。米米CLUBの石井竜也はDAYSに花輪送り、その模様がテレビで放映され、twitterでも紹介された。
 シンポ冒頭、社長兼編集長である広河隆一氏が、今回のキャンペーンを始める経緯を語った。発行5年を経過して定期購読者の数が減り、さらに出版不況も重なって部数が低迷し、創刊以来初めての赤字決算になってしまった。その後持ち直して定期購読者が書店販売を上回ったが、両方をあわせても発行を続けるのが難しい状態に追い込まれた。このままの状態を続けて潰れてしまったら言い訳になってしまうという気持ちと、潰れてしまっても、自分の取材が楽になるという思いが交錯したが、がんばってみようと思い直し、実情を正直に打ち明けてキャンペーンしようと思った。
 だが当初は支援の輪が思うように広がらず、思いあまって各方面に支援を求めるメールを送ったところ、それが思わぬ形で広がった。海外からも支援の声が届き、定期購読者が増えた。年が明けると、定期購読者の数が一気に増えた。メディアの報道も追い風になり、最終的に目標人数を達成できたので、この雑誌は存続できることを報告しますと広河氏が報告すると、会場から一斉に拍手が起きたのだった。
 続いて演壇に立った写真家・江成常夫氏はDAYS・フォトジャーナリズムコンテストの審査員でもある。彼は写真は弱い人にまなざしを向け、絶望を希望の灯しに変える力と役割がある。しかし今の日本には、受け止める受け皿がない。それはジャーナリズムにも問題があると思うが、そうしてしまった日本人一人一人にも責任があると嘆き、日本人の応募作品には、日本に目を向けた作品・仕事が非常に少ないと不満を述べた。

続きを読む »

フェアトレード三昧

2010 - 03/09 [Tue] - 12:59

 カフェスローで開かれた祝島写真展があった日は
 一日中「フェアトレードな気分」にはまっていた。
 さて、皆様は「フェアトレード」という言葉を知っているだろうか?
 実はこれ、立派な社会運動の一つである。
 グローバル経済が進む中で、富める国家と貧しい国家の格差は広がる一方である。
 わかりやすいケースとして、二国間貿易の例を挙げることにする。
 「先進国」の国民が、なぜ物質的に豊かな生活を送ることができるのか?
 低価格の商品が世間にあふれているのはなぜか?
 それは簡単だ。
 「先進国」に本社を置く「グローバル企業」が、「途上国」の市民を、不当に搾取しているから。
 
 「グローバル企業」にとっては「数字」こそが全て。
 自分達の利益を上げるためには、ムダなモノはとことん削り捨てる。
 彼らがやり玉に挙げているのは、材料費と人件費。
 連中が「途上国」にやってくるのは、安い人件費と材料費目当て。
 当然のことながら、「途上国」の特殊な事情や文化にはこれっぽちも関心がない。
 「グローバル企業」は「数字」という、自分達の欲得のために
 ひたすら現地の人たちをこき使う。
 その最たる例が「モノカルチャー」政策である。
 「モノカルチャー」とは
 「A」という地ではパパイア、「B」という地ではコーヒー豆というふうに
 一つの地域では、一つの農産物しか生産しない(させない)システムである。
 農業を少し囓った人ならご存じだと思うが
 土地というのは、同じ作物を何年も作り続けていると、地力が落ちてしまう。
 作物がとれなくなると、グローバル企業は彼らを放ったらかしにして
 新天地に行ってしまう。
 あとに取り残されるのは
 衰えた大地と、ろくに技術もないまま捨て置かれた無辜の市民達。

続きを読む »

守るべきもの・祝島

2010 - 03/08 [Mon] - 10:47

 書こう書こうと思っていたのだが、ずるずるとここまで来てしまったののをお許し願いたい。
 先月12日、国分寺にあるカフェスローで開催された、D-Lightという若手フォト・ジャーナリスト集団による、祝島写真展が開催されたので、その感想を綴ってみたい。

 この写真展の舞台になっているのは、瀬戸内海に浮かぶ、山口県上関(かみのせき)町にある祝島(いわいしま)という、人口550人あまりの小さな島である。周囲は瀬戸内海有数の漁場で、島の住民は漁業と農業で生計を立てている。この島は自然の宝庫であり、天然記念物に指定されているカンムリウミスズメ、スメナリと行った寄生生物も生息していることから、この地はしばしば瀬戸内海の原風景とも言われている。
 この島が一躍注目を浴びたのは、30年前に持ち上がった中国電力(以下中電)が、この地域に原子力発電所の建設計画を発表したからである。中電の懐柔政策により、島内住民は原発賛成派と反対派に別れて対立し、古くから続いていた地域内のコミュニティは崩壊した。しかし今もなお、島内住民の9割は原発に反対の意志を貫き、週1回原発反対デモを行い、それと並行して「原発に頼らない街作り」運動を進めている。
 それでも、彼らを取り巻く原状は厳しい。先月行われた上関町議選挙では、原発賛成派が議席数の3/4を占め、中電側もつい先日、上関町民に対し、一人あたり20,000円の給付金を支給を発表するなど、原発建設に向けて着々と足場を固めている。昨年秋には海上で中電社員と原発反対派の間で小競り合いが起き、反対派の活動家が海に転落し、危うく溺死しかけたという事件が起きている。
 現地ではこれだけの大騒動になっているにもかかわらず、このことを伝える中央のメディアは皆無である。現地の詳しい状況は、有志がインターネットで伝える情報が頼みである。ごく一部の新聞記者が記事を書いてくれることもあるが、それは極めてまれなケースであり、掲載されても地方版、それもネットの片隅にひっそりと載せられている、という場合がほとんどである。
 この写真展を企画したグループ「D-Light」は、日本唯一のフォトメディア雑誌「DAYS JAPAN」が企画した「DAYS JAPANフォトジャーナリスト学校」出身者が結成した。DAYS JAPANは創刊以来ずっとこの問題を取り上げ続け、創設者・編集長である広河隆一氏が、全国各地で講演会を開く度にテーマにするほど、原発問題に力を入れてきた。だが残念ながら、同誌以外に上関原発問題を取り上げるメディアは極めて少ないのが原状である。恥ずかしながら、私もこの問題を知ったのはインターネットのコミュニティサイト「twitter」からである(twitterについては、すでにご存じの方も多いだろうから、ここでは省略する)。
 彼らは昨年8月に初めて現地を訪問し、そこでなにが起きているのかをつぶさに見てきた。今回会場内に展示された18点の写真は、島で暮らす人々の姿をあますところなく表現している。写真だけでもこの地が「美しく、平和でのどかな田舎である」ということがおわかりいただけるだろう。

続きを読む »

若宮啓文氏@水俣・3

2010 - 03/04 [Thu] - 11:33

 2月23日、明治大学において水俣・明治大学展プレ・スタディーズ第3回における、元朝日新聞論説委員・若宮啓文氏の講演(要旨)の3回目をお送りします。

 朝日は水俣をどう伝えていたか?最初は猫がテンカンを起こしているということから騒ぎが起こった。これは1954年のことである。地元の新聞がそれを伝えているが、水俣の猫がテンカンで全滅、猫が発狂したため、ネズミが大量に増えたために住民が悲鳴を上げているという話を伝えていた。それが第一報だ。当時の報道を見ると、水俣駐在の朝日新聞記者もこの記事を取り上げたが、ボツになったと明かしている。当時はこんな騒ぎになるとは知らなかったが、テンカン騒動が人間に拡大したとして報道されるのは1956年5月1日で、これは西日本新聞に掲載された。続いて熊本日々新聞に掲載され、一ヶ月遅れで朝日にも記事が掲載された。当時は発狂者という言葉が見出しに踊っていたが、表現上の問題がある今ではほとんど使われない。当時は水俣に伝染性の奇病だと報道された。 残念ながらこの記事が載ったのは九州一円、山口県を管轄する西日本版だけで、全国版には掲載されなかった。今にすれば歴史的な一報だが、これが全国版にのなら買ったのは反省材料である。これが水俣湾だったら、おそらく大騒ぎになっていただろう。今でこそ地域主権といわれるが、地域格差が報道面に表れ、1959年7月に朝日新聞がスクープ記事を掲載したが、これも本社版には掲載されなかった。しかも同年11月には、水銀説を否定する記事が掲載された。当時は著名な学者が「水俣病の原因は水銀ではない」と発表したことで、「地方の学者よりも東京の学者のほうがえらい」という雰囲気があったのだろう。これは朝日だけの問題ではない。
 チッソが当時患者に払った見舞金も問題がある。会社が払った見舞金・年金も微々たるもので、当時と貨幣価値が違っていたのだが、当時はいろんな説が出てきて、そんな中で患者さんも亡くなり、子供が病気になれば経済的に大変という切羽詰まった状況であり、経済的にも立ちゆかなかった人たちが見舞金を受け取った。チッソは見舞金を払う時、こともあろうに「将来後遺障害が出てきたとしても、チッソとは関係ない」という一文を加え、それを当時のメディアは「円満解決」と報道した。報道の責任は重い。水俣がここまで広まったのは報道のおかげだが、いろんな意味で教訓になったと思う。

続きを読む »

若宮啓文氏@水俣-2

2010 - 03/03 [Wed] - 10:39

 2月23日、明治大学において水俣・明治大学展プレ・スタディーズ第3回における、元朝日新聞論説委員・若宮啓文氏の講演の2回目をお送りします。

 私は駆け出しの頃に警察を回っている時、ある殺人事件が起きた。脳性麻痺の我が子の将来を悲観した親が、我が子を殺してしまったという事件で、親は警察に逮捕された。私が取材をしたが大変だった。施設も入れてくれないという環境で、親は疲れ切ってしまったのだが、町内の人が嘆願書を提出する。私はそれを記事にしたところ、ある団体から連絡をもらい、これを書いた記者に会いたいといわれた。その団体は脳性麻痺児の団体で、私は彼らに
 「こういう嘆願をする人も困るが、これを記事にする記者も困る。あんたは私たちに死ねというのか?」
といわれた。私は美談仕立ての記事にしたつもりはないが、先方はそういう風に受け止められたのだ。
 その子はそこまでの表現力はないが、親がそういうふうにいった時に首を振ったということは、生きるということに執着心を持っていたのだろうと思う。
 サカモトシノブさんという患者も出てくるのだが、この人はわりと症状が軽い。バレンタインデーにチョコを買ったりしている。それでも自分が生まれたことを呪う気持ちになったりする。いろいろ恨むこともあるんだ、母さんが自分を産んでくれなかったら良かった、母を殺して自分を死のうとしたが、そんなことなんかできないという話も出てくる。だから水俣病というのは、家族にとっても生き地獄のようでつらかったのではないか。
 人類の歴史の中で、いろいろ理不尽なことがあった。私の中では水俣病とは、戦争のように殺そうという意図がないのに発生した事件である。生きていながらこんな状況を作り出してしまった。人間はなんのために生まれ、なにを楽しみに生きていくのかとチッソに訴えた場面があった。

続きを読む »

若宮啓文氏@水俣・1

2010 - 03/02 [Tue] - 10:54

 2月23日、明治大学において水俣・明治大学展プレ・スタディーズ第3回目。
 今回の講演者はは元朝日新聞論説委員・若宮啓文氏である。
 講演に先立ち、映画「水俣病-その20年」が上映された。映画の内容と、上映に先立って行われた主催者挨拶のようすは、こちらのブログを参照してください。奈緒、氏の発言は私のメモを元にしているので、ところどころ食い違っているところがあるかも知れないことを、あらかじめお断りしておきます。

 若宮氏の講演ここから
 私がここに来たのは、私が水俣フォーラムの会員ということだ。会費を納めている以外に接点がないから最初は断ったが、是非にと言うことでここに来た。なんだかおこがましい。
 私は若い頃に部落差別の取材をし、韓国に取材でいたこともあり、支配・加害関係をずっと見てきたことので、水俣を取り巻く問題と関係あるなと思った。報道する側、される側の事情も、この問題では避けて通れないと思う。
 私は水俣を訪れたことがない。気軽にいけるところでもなく、担当してないから気軽にいけない。水俣フォーラム会員なのに現地に行ったことがない。水俣フォーラムでは過去何回も現地訪問スタディーツアーを開催しているのだが、日程が合わなくて行くことができなかった。今日この会場に来ている人で、ほんとに若い人はこの問題についてあまり知らない人もいるのだろう。だから皆さんとあまり遠くないところとお話ししたい。知っている人は苦痛かも知れないが勘弁して欲しい。   
 この映画ができたのは水俣病が公式に「発見」されてから20年後である。存在が明らかになったのは’56年で、この映画はそれから20年後の記録である。
 よく「55年体制」といわれるが、長く日本の政治を牛耳ってきた自民党ができたのがその頃であり、それと同時にこの問題が出てきた。’76年というのは、日本中大騒ぎになったロッキード事件が起こった年である。その年にこの映画ができた。水俣病は一部では関心を持たれていたが。この年は「政治の季節」だったんだなあと思う。自分はこの年に政治部に来た。この映画を撮った土本さんは直接知らず、彼は一昨年亡くなった。彼は折に触れて水俣をテーマに活動された方だった。
 この映画をは教材として優れたものだと思う。この映像をよくぞ撮られたと感じた。過去の蓄積もあるが、これだけ患者のリアルな姿、それも実名が入っているから、時代背景を考えただけでもすごい。作る過程というのは、完成品よりも沢山素材フィルムがあるはずだ。

続きを読む »

 | HOME | 

カレンダー

プロフィール

PSILA

Author:PSILA
「平和」・「自由」・「平等」を愛する、ワーキングプア階層に属するしがない中年フリーター。
ひょんなことからボランティア精神に目覚め、某NGO主催のクルーズに参加したことがきっかけで「9・11」以降都内近郊で開かれた平和関係イベントに積極的に参加し、その模様をネットに公開するようになる。
このBLOGは、生活苦と闘うワーキング・プア中年男性フリーターの軌跡を綴るものである

最近の記事

カテゴリー

トラックバック

 

コメント

 

リンク

ブログ内検索

RSSフィード

ブロとも申請フォーム

検索フォーム

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

プラグイン

Powered By イーココロ!
↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
素晴らしい すごい とても良い 良い にほんブログ村 政治ブログ 平和へ
にほんブログ村 ブログランキング参加中! あわせて読みたいブログパーツ

ジオターゲティング
FC2 Blog Ranking
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。