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「快適な生活」の陰で…

2010 - 01/08 [Fri] - 12:11

 バブル景気絶頂期
 「おいしい生活」というコピーで一世を風靡した百貨店があった。
 その百貨店は、 時代の最先端を行く百貨店として知られていた。
 当時、消費は「美徳」とされ、人々は狂ったように享楽的な生活に走った。
 その陰で、モラルの崩壊は深く、静かに進行していたことに
 気づいた人は誰もいなかった。いや、誰もが「気づかない」ふりをしていた。
 バブル崩壊とともに、その百貨店が抱えていた暗部が一気に表沙汰になった。
 時代の最先端を行く経営者とメディアから持ち上げられていた社長は
 一転して、賞賛されていたメディアからバッシングを受けた。
 結局、社長は全財産を売り、経営権を他人に譲り渡し、ビジネスの一線から姿を消した。

 年明け早々、昨年私の会社に入社した社員2名が、昨年一杯で退職した。
 退職理由は「プライベート」を理由に明かされなかったが
 私には心当たりがある。
 うちの会社には正社員の勤務シフトは
 8時~17時までの「早番」と、17時~深夜2時までの「遅番」にわかれている。
 「遅番」は規約上、深夜2時が定時になっているが
 実際に定時で帰れるのはごくまれなこと。
 普通の時間帯でも残業はきついのに、
 うちの会社の深夜残業は、他の会社よりも仕事がきつい上に人数も少ないから
 心身共に疲れやすくなる。
 今会社を辞めても、仕事が見つかる保証はない。
 「無職」になる恐怖心で、彼ら2人は必死に会社にしがみついてきたが
 ついに限界点を超えてしまった。
 仕事がみつかないことを覚悟の上で、彼らは自分の身を守ることを選んだ。

 先日のニュース番組が「水ビジネス」を取り上げていた。
 石油の埋蔵量が年々減少し、原子力ビジネスが行き詰まりを示す中
 「国際的大企業」という名の「ハゲタカ」がターゲットに選んだのは
 「水」という、人間が生きていくのに欠かせないものだった。
 国内企業も「水ビジネス」に参入しているらしいが
 仕様書は欧米の企画になっているから、日本企業は海外企業と競争できない。
 ターゲットは、アジア・アフリカ・南アメリカなど、インフラが未整備の地域。
 水メジャーはサービス、プラント、資機材一体でやっているが
 日本はノウハウを持っているのは自治体なので
 海外進出が、大きく遅れてしまった
 そのため、三井物産はメキシコで水ビジネスを展開する会社を買収し
 その会社が持っているノウハウを使って全世界に展開するそうだ。
 自治体も海外進出して、ノウハウを供与したいらしいが
 現行法制では、それは難しいのだという。
 そのニュース番組は
 「日本も『水ビジネス』で遅れをとるな」と煽っていた。
 その番組を放映しているテレビ局が、日本経済新聞という
 企業の「御用きき報道」で食ってきたメディア傘下だからところだから
 「日本も負けるな!」というスタンスになるのはしかたがないか。

 だが、私はこれらのスタンスに違和感を覚える。
 南米で「水ビジネス」を展開している会社は
 世界の原発の5割以上を請け負っている会社である。
 この会社は80年代以降最近まで、世銀と組んで南米各地で水道の民営化事業を請け負い
 住民のインフラをズタズタにし暴利を貪った前科があるそうだ。
 自分達の利益のために、弱者に犠牲を強いている。
 21世紀以降、この流れは顕著になってきている。

 こうしてみると、快適な生活というのは、
 どこかで無理をしていることで成り立っているのだとわかる。
 「おいしい生活」を標榜した百貨店も
 見えないところで無理を重ねた結果、会社は倒産の一歩手前まで行ってしまった。
 私の会社の新入社員は
 会社の「売り上げ増」の方針の前に心身に疲労を蓄積した。
 そして「水ビジネス」。
 これが跋扈すると、きれいな水を利用できない市民の数はますます増えるに違いない。
 原子力ビジネスも、これと全く同じである。
 都会の贅沢のために、過疎地に危険物を押しつけることで
 現代の「ステキな生活」がなりたっているのだが
 このことを指摘し、気がついている人は多くない。
 
 歴史をひもといてみれば
 戦争の歴史というのは、資源を奪い合う歴史でもあった。
 18世紀までは食料だった。
 19世紀の産業革命以降は、石油・石炭の争奪戦だった。
 産業のIT革命が進んだ現在は
 世界中が「レアメタル争奪戦」に血眼になっている。ら

 これらの光景を見る度に
 私は10年前、ピースボートで訪問したニュージーランドを思い出す。
 彼らは、とにかく働かない。
 閉店10分前にやってきた買い物客は
 ガードマンによって、ことごとく追い返される。
 それもこれも「定時で帰る」ことを優先しているから。
 残業阻止のためには、彼らはどんな手段も厭わない。
 それが自分達の生活を守ると知っているから。
 ついでながら、この国の地方議会は
 仕事が終わってから開会し、議員は全員ボランティアだ。
 「これまでの人生で得た知識と経験を、無料で還元するのは当然のこと」
 かの国には、この意識が徹底している。
 
 彼らは、自分達が持っている以上のモノを求めない。
 「足を知る」。
 中国のことわざだが、本家の中国はすっかり物欲主義の虜になってしまっている。
 それだけに、ニュージーランド国民の意識はまぶしく見える。
 世界中の国々がニュージーランドを見習えば
 くだらない争いなんかなくなるのに…

原発と地方。

こんばんは。

>原子力ビジネスも、これと全く同じである。
>都会の贅沢のために、過疎地に危険物を押しつけることで
>現代の「ステキな生活」がなりたっているのだが

まったくその通りですね。

石原とかいう人に言わせれば、「日本の原発は120%安心だ、
なんなら東京湾に造ったっていい」ということらしいですから、
東京湾に造るべきでしょう。
地方のひとに、危険を押し付けて、関東人が贅沢をするという
構図は、改めなければならない、と思います。

この構図は、旧ソ連や、今の中国によく似ています。
事故が起こってからでは遅いのです。

日本人は、立ち止まって、よく考えないといけないと思います。

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Author:PSILA
「平和」・「自由」・「平等」を愛する、ワーキングプア階層に属するしがない中年フリーター。
ひょんなことからボランティア精神に目覚め、某NGO主催のクルーズに参加したことがきっかけで「9・11」以降都内近郊で開かれた平和関係イベントに積極的に参加し、その模様をネットに公開するようになる。
このBLOGは、生活苦と闘うワーキング・プア中年男性フリーターの軌跡を綴るものである

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